積雪期 3,000m 入門の山 と ヤマケイ にも掲載された
南アルプス 仙丈ヶ岳(3,032m)を目指す。
結果は、2,000m へも辿り着かず敗退。
詳細な山行の記録は
cherry副隊長
ゆかい隊員
を参照頂き、私は今回の 山行の総括と今後の Team のあり方、思う事などを述べたいと思います。
1.Team の当初からの目的の一つ 積雪期 3,000m登頂を成功させる為
事前打合せで決めたこと
①担ぎ重量設定
Backpack容量制限 50リットル以内。
食料重量制限 2.0kg以内
宴会は無し。
食料は食べれば担ぎ重量が減っていくので、ほとんどを行動食で補い、夜朝、アルファ米。
おかずはスープ程度。
私の責任重量 13kg
隊員各位は テント、スコップ、救命 等々の共有装備を含めて16kg
②登頂断念時間、ポイントの設定
設定時間内に目標地点へ到達できなければ、テン泊して翌日頂上を目指すことなく下山する。
目標時間
出発 3時 北沢峠 9時 仙丈小屋 15時30分
敗退ポイント
北沢峠 9時 に到達しない場合は、登頂しない。
③休養を十分にとる
山形を早い時間に出発する。
2.実際の行動での検証
休養を十分にとる
早めに山形を出発して、睡眠を十分にとって山に挑む。
ゲン担ぎの恒例のカツカレー
山形出発時間を決めていなかったので、余裕の食事で出発時間が曖昧に
結局現地に到着して就寝したのが 23時30分
問題1. 就寝時間を逆算して出発からのタイムスケジュールを組む必要があったのでは
担ぎ重量設定
2泊3日の行程を1泊で落とすために、前半での私の体力消耗を懸念して出発前に
食料 2kg ・・・・ cherry副隊長
アイゼン 1kg ・・・ ゆかい隊員
それぞれシェアする。
問題2. 自分の命を守る荷物を自分自身で担げない、山に挑むこと自体無謀なのでは
この「自分の命を守る荷物を自分自身で担ぐ」これは ずっと 私の懸案事項。
ランニングを重ね、膝痛も徐々に克服。
担ぎ重量10kgなら膝痛が出ない所まで来ました。
今回、アイゼン壷足で先頭を交代して進み、全行程 26km超 も何とか、最後まで膝痛が出ませんでした。
最低限の責任担ぎ重量 「13kg」 をいかにして担ぐか。 今後の課題。
計画の甘さ
現地に行く前から、一番の問題が 行程距離の長さ。
積雪で車道・林道に車が入れず戸台駐車場から河原を延々と歩く
広い戸台駐車場
延々と続く河原
白岩堰堤
角兵衛沢、鋸岳登山口
赤河原分岐 7:00着
ここまで 7km 4時間経過 計画では6:00着の予定 1時間 タイムオーバー
丹渓山荘跡
ここから、双児沢。樹林帯が始まり登り開始。
さらっと積もった雪の下は、想定外の凍結。
アイゼンを装着して進む
ようやく、平坦な場所に来ても、先が読めない。
次は、八丁坂の急登。アイゼンのまま進む
凍り付いた斜面ではアイゼンは必須
(Photo by ゆかい隊員)
ところが降雪も多く場所によってはラッセル。凍った斜面を考えるとワカンを装着する訳にも行かず、イライラが募る。。
ジグザク登る八丁坂が始まる
樹林帯から見える空は晴天
しかし、寒い。。。
万全の準備をしてきたはずなのに、相変わらず 指先が辛い。登りに集中出来ない。
8:30 標高1,700m 急登が終了。少し日が射す場所で休憩、アイゼンを脱着。
9:00 1,760m付近 小仙丈ヶ岳(2,860m)付近の稜線を臨む
ゆかい隊員曰く
「天気予報の風速は軽く20m以上・・・ 降雪した雪がまるで白竜のごとく天高く舞います。」
普段なら、「よ〜し あそこまで!!」と気合いが入るはずが、、木々の隙間からの木漏れ日にも関わらず 気分は高揚しない
予定の北沢峠 9:00 は到達不可能。
問題3. タイムオーバーした時点での判断が曖昧。何の為に、行程表を作り、事前打ち合わせをしたのか。
北沢峠に9:00までに到着出来なければ 登頂を断念するはずが、現時点では 誰も 断念しておらず、登る気満々。
「行けるところまで行きましょう」
最近の我Teamが陥ってる一番の問題点なのでは。
ココで、登頂断念を宣言して、次どうするか。下山するのか。テン泊するのか。早め早めの判断が必要でした。
タイムオーバーを取り戻す事は到底無理。
リスクを真剣に考える必要が有りました。
今思える事は、
ココがターニングポイントだった
ノートレース、ラッセル、樹林帯、アイス、 まったくもって一定しないコンディションにひたすら壷足が続く。
ワカンを使えば、ラッセルが楽。
今まで経験してきた 2,000mでは通用していた事が ことごとく 否定される。
雪の状況が進むたびに変化し、予測出来ない状況では、ワカンで進むより 「壷足」 で進む方が 安心そして 簡単。
しかし、体力は確実に奪われて行く。
トレーニングして、克服出来る程 甘くはないのでは?
この 雪の状態を、1泊2日 で制覇する。。。。到底無理な話。
じゃ 2泊3日 なら行ける?
そもそも、3人のパーティーで臨むこと自体 無理なのでは?
計画の甘さに 打ちのめされた瞬間でした。
問題4. 雪の状態等、現地の状態の情報不足
地元の人から、「この時期、無理でしょう」と言われて、逆に計画の無謀さを知る。お恥ずかしい限りです。
11:13 標高1,957m ラッセルの先に見えてきた ピーカンの大平山荘
やっと日の光を浴びた〜
輝く青空とは裏腹なこの先を思うと暗澹とした気持ち。
腰まで埋まる雪
仙丈ヶ岳登頂は出来ない事は明白、
ノートレースのこの雪をラッセルして北沢駒仙小屋のテン場に向かい、翌朝下山するか、一同協議。
未だ 11時 時間的には 暗くなるまでに下山出来るのでは?
「温泉入って宴会!!」
即下山決定
問題5. ここまで 8時間。13km。全行程26kmになる下山の判断は正しいのか。
1,830m付近にあったビバーク跡
何故、この場所にビバークする必要が有ったのか。
よく考える必要が有りました。
疲労で、足に支障をきたしている隊員各位。
消費する事で重量軽減を考えていた行動食も、大部分担いだまま。
下山 6時間 13km を 17:00までに完了させる。
隊長判断として、これは誤りでした。
「宴会・暖かい布団・温泉」に判断を誤りました。
日の差す 大平山荘で十分休憩・昼食をとり、足の状態を見ながら 15:00 まで下山。
そこで、ビバークして翌朝余裕をもった下山。
これが、リスクを考えた判断だったのでは。。
16:23 無事下山
何とか、予定通りに下山完了したものの、結果オーライでは済まされない、反省ばかりの今回の山行でした。
第2章 飛翔編
巣立ち 「3,000m峰への挑戦」
お恥ずかしい限りです。。。。。原点へもう一度立ち返り、真摯に山に向かいたいと思います。
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